G・V・オーエンについて

                            
オーエン氏は、霊界通信 ベールの彼方の生活 全4巻 の著者であり、霊媒です。

ここにオーエン氏の経歴やお人柄、自動書記や出版の経緯について、上記の本から転載させていただきます。


【推薦の言葉】    ノースクリッフ卿

私はまだオーエン師の霊界通信の全篇を読む機会を得ていないが、これまで目を通した部分だけでも実に美しい章節を各所に発見している。

こうした驚異的な資料は霊媒自身の人格が浅からぬ重要性を有ち、それとの関連性において考察さるべきであるように思われる。
私はオーエン師とは短時間の会見しか持っていないが、その時に得た印象は、誠実さと確信に満ちた人物を前にしているということであった。

ご自分に霊能があるというような言葉はついぞ師の口からは聞かれなかった。
出来るだけ名前は知られたくないとの気持を披歴され、これによる収益の受取りを一切辞退しておられる。

これだけ世界中から関心を寄せられた霊界通信なら大変な印税が容易に得られたであろうと思われるのだが。


※ ノースクリッフ卿 Lord Northcliffe

― 本名 ウィリアム・ハームズワース  Alfred Charles William Harmsworth
アイルランド生まれの英国の新聞経営者で、有名な Daily Mail の創刊者。
死後 "フリート街の法王" と呼ばれたハンネン・スワッハー Hannen Swaffer がよく出席していた直接談話霊媒デニス・ブラッドレーの交霊会に出現、スワッハーがそれを『ノーリスクリッフの帰還』Northcliffe’s Return と題して出版、大反響を呼んだ。― 訳者 近藤千雄




【まえがき】 

G・V・オーエン

この霊界通信すなわち自動書記または(より正確に言えば)霊感書記によって綴られた通信は、形の上では四部に分かれているが、内容的には一貫性を有つものである。
いずれも、通信を送って来た霊団があらかじめ計画したものであることは明白である。

母と子という肉親関係が本通信を開始する絶好の通路となったことは疑う余地がない。
その点から考えて本通信が私の母と友人たちで構成された一団によって開始されていることは極めて自然なことと言える。

それが一応軌道に乗った頃、新しくアストリエルと名告る霊が紹介された。
この霊はそれまでの通信者に比べて霊格が高く、同時に哲学者的なところもあり、そういった面は用語の中にもはっきりと表われている。
母の属する一団とこのアストリエル霊からの通信が第一巻『天界の低地』を構成している。

この言わば試験的通信が終わると、私の通信はザブディエルと名告る私の守護霊の手に預けられた。
母たちからの通信に較べるとさすがに高等である。
第二巻『天界の高地』は全部このザブディエル霊からの通信で占められている。

第三巻『天界の政庁』はリーダーと名告る霊とその霊団から送られたものである。
その後リーダー霊は通信を一手に引き受け、名前も改めてアーネルと名告るようになった。
その名のもとで綴られたのが第四巻『天界の大軍』で、文字どおり本通信の圧巻である。
前三巻のいずれにも増して充実しており、結局前三巻はこの "第四巻のための手馴らし" であったとみても差し支えない。

内容的にみて本通信が第一部から順を追って読まれるべき性質のものであることは言うまでもない。
初めに出た事柄があとになって説明抜きで出て来る場合も少なくないのである。


本通信中の主要人物について簡単に説明しておくと―

私の母は1909年に63歳で他界している。
アストリエルは18世紀半ばごろ、英国ウォーリック州で学校の校長をしていた人である。
ザブリディエルについては全然と言ってよいほど不明である。
アーネルについては本文中に自己紹介が出ている。
霊界側の筆記役をしているカスリーンは英国リバプール市のアンフィールドに住んでいた栽縫婦で、私の娘のルビーが1896年に僅か15ヶ月で他界するその3年前に28歳で他界している。

さて "聖職者というのは何でも直ぐに信じてしまう" というのが世間一般の通念であるらしい。
なるほど "信仰" というものを生命とする職業である以上、そういう観方をされてもあながち見当違いとも言えないかもしれない。
が、私は声を大にして断言しておくが、"新しい真理" を目の前にした時の聖職者の懐疑的態度だけは、いかなる懐疑的人間にも決して引けを取らないと信じる。

ちなみに私が本通信を "信ずるに足るもの" と認めるまでにちょうど4分の1世紀を費やしている。
すなわち、確かに霊界通信というものが実際にあることを認めるのに10年、そしてその霊界通信という事実が、大自然の理法に適(かな)っていることをはっきりと得心するのに15年かかった。

そう得心して間もなく、その回答とも言うべき現象が起こり出した。

最初まず私の妻が自動書記能力を発揮し、やがてその手を通じて、お前も鉛筆を握って机に向かい頭に浮かぶ思念を素直に書きおろしてみよ、という注文が私宛に送られて来た。

正直のところ私はそれが嫌で、しばらく否定し続けた。
が、他界した私の友人たちがしきりに私を通じて通信したがっていることを知るに及んで、私の気持にもだいぶ変化が起き始めた。

こうした事実からも十分納得して頂けることと思うが、霊界の通信者は通信の目的や吾々に対する希望は述べても、そのために吾々の都合や意志を無視したり強制したりするようなことは決して無かった。
結果論から言えば少なくとも私の場合は強引に書かせた方が手間ひまが掛からずに済んだろうにと思われるのだが……。

が、それでも私はすぐには鉛筆を握らなかった。
しかしそのうち注文する側の真摯な態度に好感を覚え、多分に懐疑の念を抱きつつも遂に意を決して、晩課が終わってからカソック姿(法衣の一種)のまま机に向かったのであった。


最初の四、五節は、内容に統一性がなく、何を言わんとしているのか見当がつかなかったが、そのうち次第にまとまりが見えてきて、やがて厳とした筋が読み取れるようになった。
それからというものは書けば書くほど筆が速くなった。
読者が今まさに読まんとされているのがその産物である。

1925年秋


※ George Vale Owen (1869 ― 1931)
教会で20年間司牧した頃から自動書記能力を発揮し始め、その価値を高く評価した新聞王ノースクリック卿の勧めにより新聞に掲載され、それが The Life Beyond the Veil 全四巻 となって出版されて大反響を呼んだ。
そのことで国教会の長老の怒りを買い、"回心" を迫られたが、断固として拒否して自ら辞職し、余生をスピリチュアリズムの普及に捧げた。
他に小冊子が数冊あるが、死後、ヘインズ霊媒を通じて書かれた A Voice from Heaven が有名である。


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